Last Updated on 2023年3月2日 by 村上志歩美
看護師の仕事は感情労働です。
患者さんを最優先にするから自分のことが全部後回しになっちゃう。トイレも我慢して食事休憩もままならない。バタバタ走り回って頑張っているのに、患者さんには「遅い」と怒鳴られてしまった。看護師ってつらい職業だと思う…。
職場で同僚と話すと自分のことを後回しにせざるを得ない看護師という仕事は、肉体的にも精神的にもかなり負担が大きいと感じさせられました。
どんなに悲しくても腹が立っても、理不尽なことがあっても決して感情をむき出しにしてはいけませんから、コントロールするのがとても大変ですよね。
看護師2年目ともなると少しずつできることが増えて、仕事の楽しさも感じられるようになる場合もありますが、3年目、5年目…と経験を積むと、やることの多さに絶望を感じることもあります。
中堅看護師が大量に退職してしまうのは、どのこ職場でも起こりうることなのだろうと思います。
看護師さんは、根本が優しい方が多いですし、自分より人を優先してしまいがちです。
医療という命のやりとりがされる場所なので、当然患者さんが最優先になりますよね。
でも、本当に自分のストレスに気づけているでしょうか?
ある日突然、涙が止まらなくなったり、仕事に出かけられなくなったりしてしまう方もいるでしょう。
案外、人の心に関心を向けすぎて、自分のストレスに気づけていない方も多いものです。
看護師に限らず、「自分の心が満たされていないと、人に優しくすることはできない」と私は思っています。
今日はストレスについて考えてみましょう。
ストレスチェックをしてみよう!
早速ですがストレスチェックをしてみましょう。
15個質問をします。
あなたは何個当てはまりますか?
- 体がだるく疲れやすい
- 最近思い通りに行かないことが多い
- いくら寝ても寝たりない感じがする
- ついイライラしてしまう
- やる気が出ない
- 人と話すのが億劫
- 最近風邪をひきやすい
- 食欲がない
- お酒の量が増えた
- 何かショックなことがあると一人で抱え込んでしまう
- 考えがうまくまとまらない
- ちょっとしたことでも腹が立つ
- すべてを投げ出して逃げたくなる
- 目覚めが悪い
- 怒りの感情をため込んでしまう
いかがでしたか?15個の項目でチェックがたくさんついた場合、相当のストレスを抱えている可能性があります。
- チェックが0~2個の場合
- 心は健康で気分転換がうまくできている
- 上手にストレス解消ができている
- チェックが3~6個の場合
- 気がつかないうちにストレスを抱えている
- これ以上無理をすると心に負担がかかる
- 自分を労ってストレス源を排除する
- チェックが7~10個の場合
- かなりのストレスを抱えている
- 今の生活を見直す
- 一人で悩みを抱えない
- 心を休めることを第一に考える
- チェックが11個以上の場合
- このままでは危険!
- 心だけでなく体もつらい状態
- カウンセリングを受けると良い
ちなみに私は、退職する前までは、15個中14個にチェックが入りました。
アルコールが苦手なので「9.お酒の量が増えた」だけは当てはまりませんでしたが、それ以外は引っかかってしまいました。
看護師さんは知らず知らずのうちに相当なストレスを抱えている方が多いと思います。
そのストレスに早く気づいて気分転換ができればいいのですが、気づくのが遅れると心身の不調が強くなって、自分では対処できなくなっている場合もあります。
アロマテラピーとは?
コロナ禍で心身の不調を感じている方は増えたように思います。
心療内科は新規の患者さんを受け入れられなくなるほどです。
自分のストレスを素早くキャッチして、何かしら対処行動を起こさないといけません。
私が緩和ケア認定看護師教育機関に通学していたとき、アロマテラピーの資格を持っている同期が数名いました。
私が交通事故で怪我をしてつらかったときに、そっとポケットティッシュにアロマを数滴垂らして手渡してくれた同期がいます。
痛みが和らいだように感じましたし、心もほっとして気持ちが安らいだのを覚えています。
レモングラスの香りで、抗炎症作用や鎮痛作用などがあり、打撲や捻挫の患部の炎症や痛みをやわらげてくれるそうです。
むち打ちでつらかった私にサッとレモングラスの香りを嗅がせてくれた同期の知識と思いやりには驚かされました。
メディカルアロマ検定というものがあることをそのとき初めて知りました。
厚生労働省も統合医療としてアロマテラピーを紹介しています。
統合医療とは、西洋医学による医療と代替医療を合わせて患者を治療することを指します。
私は急性期病院を退職して、今後はがん治療専門クリニックで働きます。
なぜがん治療専門クリニックを選んだかというと、代替医療に興味があるからです。
西洋医学での治療が主軸にあることがほとんどですが、人によっては西洋医学を嫌う方もいます。
実際に西洋医学はすべて拒否して、漢方やサプリメントのみを使用してきた方を看たことがあります。
そこで補完代替療法について勉強してみたいと思ったのが転職のきっかけです。
なかでもアロマテラピーで私も痛みや緊張が和らいだ経験があるので、まずはとっつきやすいアロマテラピーの勉強を始めました。
今の時代、オンラインで勉強をしたり検定を受けることもできますし、何かを始めようと思うとすぐ始められますよね。
香りは癒やされるし、不眠で悩まされていた私もよく眠れるようになりました。
もう10年以上前ですが、寝たきりで自分でお風呂には入れなかった患者さんにあるベテラン看護師さんが入浴剤を持って出勤してきたのを見たことがあります。
患者さんが温泉好きだったというエピソードを知り、好きな香りに包まれて入浴できるようにという思いやりの行動ですよね。
機械浴で寝たままお風呂に入れて、患者さんは「ゆずの香りがいい」と自分で選んでいました。
香りに癒やされるという体験をしたことがある方は多いでしょうし、看護師としても知識さえあれば即実践できることだなと感じています。
リラックスするためにはラベンダーの香り、落ち込んだときにはオレンジスイートの香り、疲労回復と集中力アップにはローズマリーという風に自分のストレスを緩和してくれる方法を知っておくといいですよね!
自分の心と体が健やかな状態でなければ、決して患者さんに最高の看護は提供できません。
まずは頑張っている自分を労って、うんと大事にしてください。
自分が満たされていないと、健全に誰かを満たすことなどできませんから、絶対に無理はせずに!
頑張りすぎて燃え尽きてしまう看護師さんが減ることを心から願っています。
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