Last Updated on 2023年1月28日 by 村上志歩美
今回ありがたいことに看護師のシトラスさんより取材のご依頼をいただきました。特別に許可を得てインタビュー記事を転載させていただいています。シトラスさんのブログはこちらです▶Nurse✖Career | (yuttan.com)
認定看護師になるまで&なってからの苦労話までお答えしています!ぜひ読んで下さると嬉しいです(^^)
今回、認定看護師の方に緩和ケア認定看護師のしぽさんにインタビューをさせて頂きました。
しぽさんは、結婚+認定看護師の継続を両立されている稀有な方です。
「結婚適齢期の女性と認定看護師の資格取得」について、お話を伺いたいと思います。
また、認定看護師にしか聞けないココだけの話も答えて頂けました。
資格取得を考えている方は、とても参考になると思います。
目次
- 結婚適齢期の女性が認定看護師の研修と結婚の両立は可能?
- 認定看護師の5年毎の更新の維持費はいくらかかるの?
- 認定看護師の5年毎の更新の50点って何?
- “認定看護師教育機関”は過酷なの!?
- 認定看護師になる前に考えておきたいこと
- 資格取得を考えている方にメッセージ
- 編集後記
結婚適齢期の女性が認定看護師の研修と結婚の両立は可能?
結婚適齢期の女性は、結婚したいという気持ちと看護師のキャリアについて悩むと思います。
認定看護師は、より高度な専門的な仕事ができるという魅力がありますが、資格取得に100万円近い金額がかかります。
施設によっては研修費用の全額の補助金が出る所もありますが、資格取得後に3年~5年、同じ病院で勤務しなければならないという誓約書を書く施設もあると伺いました。
結婚適齢期の女性にとって、このハードルは非常に悩みどころ。
結婚、出産により病院を退職するかもしれないと考えると、認定看護師の資格取得に踏み切れない女性もいると思いますが、いかがでしょうか。
可能だと思います。
sipoさん
配偶者の理解さえあれば、結婚は特に認定看護師の活動に制限はかからないかと思います。
元々看護師って、忙しいものですからね。
まあ、それがさらに忙しくなるので、専業主婦並みのレベルの家事を求められると難しいだろうと思います。
私が通っていた認定看護師教育機関は、27歳~50歳代前半までの幅広い年齢層の看護師が集まっていました。
既婚者は少なく独身者がほとんどで、シングルマザーも数名いらっしゃいました。
子どもが中学生以上だった場合や両親が近くにいてサポートしてくれている場合は、そこまで負担は大きくなさそうです。
研修の同期に小さい子どもを育てながら通っている方がいましたが、本人も周囲も大変でした。
個人的には、小さい子どもを育児しながらの認定看護師の研修は、周囲の協力必須なのであまりおすすめできません。
確かに、育児だけでも大変なのに研修も同時にこなすのは、厳しそうですね。
実習施設が県外になることもある
認定看護師の教育課程には実習があり、実習施設が県外になる事もあります。
実習施設が自宅から通えない場所にある場合は、実習施設の近くにワンルームマンションを借りて、そこから数か月通うことになります。
小さいお子さんがいる家庭の場合、ママだけが単身赴任で離れて生活することができません。
そういった理由から、「実習施設を転居せずに通える範囲に優遇してほしい」と周囲に訴えて、他の同期が行きたかった実習施設を譲るということもありました。
私は周囲に迷惑をかけたくないため、妊娠・出産の時期を避けて早めに認定看護師になることを選んだため、少し不公平だと思ってしまいました。
確かに、それは本人も周囲もギスギスしそうですね…。
施設から資格取得の援助がある場合、数年は施設で働かなければならない
所属施設が学費などを援助してくれる場合もあります。
施設からの補助金がある場合は、資格取得から5年後の更新審査を終えるまではその病院で就業することを条件としている施設が多い印象です。
女性は、結婚&妊娠のタイミングを考えて、転職してから受験する方法もアリ
もし、5年後も同じ施設で働き続けられるイメージがないのであれば、認定看護師の育成に力を入れている病院へ転職してから、認定看護師の研修を受けるのがベターかなと思います。
出産は女性にしかできませんから、産休・育休の制度はありがたく使いたいですよね。
福利厚生がしっかりしている施設であれば、産休・育休を上手に使って働き続けている認定看護師もたくさんいます。
そういえば、研修中に妊娠した方もいました。
受験勉強とマタニティライフの同時進行はとても大変だったと思いますが、今も立派に子育てをしながら働かれています。
他には、結婚をきっかけに認定看護師教育機関の受験を諦めた方もいます。
女性には出産適齢期という大切な時期がありますからね。
私見ですが、認定看護師を目指すなら妊娠をする前の若いうちか、出産して子どもがある程度大きくなってからがいいと思います。
結婚適齢期の女性が認定看護師の道に進むには、お金のことやライフプランについて、しっかり考える必要がありそうです。
認定看護師の5年毎の更新の維持費はいくらかかるの?
以前のインタビューで、「認定審査の受験費や登録料、その後5年ごとに資格維持のためにも莫大なお金がかかる」と、伺いました。
大体、いくらくらいかかるのでしょうか。
維持費は本当に莫大です!
ポイント
- 5年ごとの認定看護師の更新に51,700円かかる
- 維持費でかかるのは、学会や研修参加費
- 看護協会に入っている人が多く、護協会の年会費は10,000円
- 情報のアップデートのため、自分の専門分野の学会に入ることもある(当然、年会費はかかる)
私の場合ですが、年間10万円ほどは認定看護師の維持費としてかけてきました。
そのほかに認定看護師は5年に1度の更新が必要ですが、審査料として30,800円(税込)がかかるのと合格した場合は認定料20,900円(税込)が必要になります。
5年に1度とはいえ、認定看護師を更新するだけでも51,700円(税込)かかるって、結構痛い出費ですよね。
認定看護師になると常に新しい知識をインプット、アウトプットすることが求められます。
医療は進化を続けるものなので、認定看護師としては専門知識をどんどん吸収すること、症例をたくさん知っておくことが大切です。
認定看護師としての質を落とすわけにはいきませんからね。
維持費でかかるのは、学会や研修参加費
認定看護師は、学会や研修に参加している方が多いです。
看護協会に入会している方は多く、私も看護協会の年会費を毎年1万円納めています。
それに加えて、自分の専門分野の学会にも入会する方が多いと思います。
私の場合は『日本緩和医療学会』と『日本死の臨床研究会』に入会しているので、年会費が2万円ほどかかります。
年に一度の学術大会に参加するときは参加費14,000円(非会員の場合16,000円)がかかります。
本大会に参加する場合、遠方であれば交通費と宿泊費がかかるのですが、学会の時ばかりは宿泊費が高く設定されている場合があり、1泊数万円かかります。
私は、1つの学会に参加するのに軽く見積もって8万円近くかかりました。
コロナ禍で時代も変わり、現地に行かなくてもwebで参加することもできるようになったので、旅費にかかっていた分は節約できるようになりました。
研修や教育セミナーに参加することもありますが、相場は3,000円~8,000円程度でしょうか。
認定看護師の維持費の金額にびっくりです。
資格手当がない施設も多いので、ぜひ知っておきたい情報です
セミナーの参加は、同じ分野の認定看護師と交流することができる
卒業した教育機関が開催するセミナーであれば、比較的安い参加費で勉強したり、同じ分野の認定看護師と交流することができますのでオススメです。
新しい知見を得るためなら、本を読んだりネットで学んだりすればいいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
認定看護師がなぜ高い参加費を支払ってまで学会やセミナーに精力的に参加するかというと、実は知識を得るためだけではないです。
さきほどお話ししたように、認定看護師はその質を維持するために5年ごとに審査を受ける必要があります。
日々の看護実践だけではなく、学会や研修でそのポイントを稼がなくてはならないわけです。
認定看護師の5年毎の更新の50点って何?
認定看護師が学会に参加するのは、割と知られています。
更新に必要な50点を達成するのに、認定看護師の方はどういった活動をされるのですか?
また、50点を達成するのにどのくらい時間が必要なのでしょうか。
認定看護師として過去5年間の実績を証明するためのポイント制度です。
まず、お伝えしておきますが1回目の更新審査には、点数の取得だけでなく実践の報告書を提出しなければなりません。
点数を貯めることよりも、実践報告書の作成の方が大変です。
認定看護師を更新するには、下記の2つの条件を満たさなければなりません。
- 認定看護師であること。
- 過去5年間に看護実践2000時間以上*および自己研鑽の実績(50点以上)があること。
自己研鑽の実績(点数表)
▼自己研鑽の実績(点数表)のリンクは下記になります。
認定看護師認定更新・再認定審査における研修実績及び研究業績等申告表
5年で50点を取るのは大変!?
認定看護師の資格更新は基本的に5年ごとにあります。
実践活動等、研究活動等に関して自分の実績に関する点数を合計して50点以上があることが必須で、証明する資料の提出も必要です。
コンスタントに研修やセミナーに参加していたり、院内でのラダーの講師などをしていれば5年間で50点稼ぐのは問題ありません。
100点だって稼げると思います。
学会発表や市民公開講座などで講師をすれば1回につき10点を得られ、認定看護師を対象とした4時間以上の研修会に参加すれば6点です。
点数の取得自体にそんなに苦労することはありません。
学会発表の論文執筆がとても大変
学会発表の論文執筆に関しては、大多数の認定看護師が勤務時間外で取り組んでいます。
認定看護師に年に1回の学会発表が義務づけられている施設もあります。
専従看護師の先輩は毎日消灯時刻まで働いていたので、その上に研究に取り組む時間はないと嘆いていました。
学会発表まで取り組むとなると、休日はほとんど仕事で潰れてしまうでしょうね。
私も同じく、時間外にほかの仕事を抱えていたため、研究に取り組めないまま5年が経過しました。
それでもなんとか更新できたのですが、更新時に下記の注意書きがありました。
「認定看護師認定更新・再認定審査における研修実績及び研究業績等申告表」の欄外に『Ⅰ群(実践活動等)、Ⅱ群(研究活動等)ともに各群10点以上申告することが望ましい』
以前はこの注意書きはなかったので、点数さえ足りればいいと思っていましたが、今後は学会発表や論文の執筆は当然求められることになるだろうと予測されます。
実践のみに偏って、学会発表などの研究活動がおろそかになってしまうのは避けたいですね。
Ⅰ群とⅡ群の点数のバランスも審査の判定材料になるようですので、参加したすべての研修会の点数を登録しないようにしている認定看護師もいます。
私の周囲はおおよそ80~90点で申告している方が多かった印象です。
私も数ポイントは切り捨てて、84点で審査を受け、無事更新できました。
1回目の更新申請は、認定看護師の実践の報告書を提出しなければならない
このレポートがかなり厄介なんです。
私はこのレポートを仕上げるのに1か月間は仕事が終わってからも毎日パソコンと向き合っていました。
1,400 文字以上 1,700 文字以内で、自分の看護実践を伝えなければならないので大変です。
下記のようなことが求められます。
『自身の認定看護分野において、個人、家族及び集団に対して、認定看護師として高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践していることを示すことが必要である。』認定更新の手引きより引用
レポートは誰が読んでも「あなたが認定看護師として介入したからこそ、患者と家族によりよい看護が提供できた」と示せなければ、不合格だと思ってください。
どんなに優れた認定看護師であっても、このレポートで評価者に自分の実践能力の高さを伝えきれなければ容赦なく不合格になります。
「スタッフナースにでもできたのでは?」と少しでも思わせたらいけないのですから、言葉のニュアンスにもかなりこだわりました。
旦那さんに協力してもらいながら、レポート作成をしていた
私の場合は、看護業界を知らない夫に読んでもらっていました。
理由は、看護師でなくても伝わるような文章にしようと思ったからです。
残業続きの生活でレポートをまとめるのは本当に大変でした。
夫からも「あの頃は殺気立っていて見ていて怖かった」と今でも言われます。
ちなみに私は、レポートの締め切り前にリフレッシュ休暇を取得して、1週間は推敲作業に徹しました。
計画性のある認定看護師さんならこんなに切羽詰まった状況にならないと思いますが、私の同期も結構ぎりぎりまでレポートをまとめていました( ・∀・)
1度更新してしまえば、次の更新からはポイントだけで大丈夫です!
認定看護師の知られざる苦労話が詰まっています。
とても参考になる話です。
“認定看護師教育機関”は過酷なの!?
sipoさんのブログで認定看護師の教育機関の研修がハードだったと伺いました。
どのぐらいハードなのでしょうか。
看護師として病棟で働くのとは、また別の大変さがありました。
認定看護師教育機関は、座学やグループワークがメインです。
夜勤がない分、生活リズムは整って健康的になったような気がします。
病棟で働いていたときの方が、肉体的な負担はありました。
レポートが大変
レポートは多く常に複数のレポートの提出期限が迫っているような状況ですから、タスク管理が重要でした。
レポートも思うように書けない場合は寝不足になったり、書けない自分に自信を無くしたりします。
体よりも心が悲鳴をあげるような感覚ですね。
実習が一番大変
認定看護師を目指すためには、専門分野の看護を学ぶために臨地実習を受ける必要があります。
実習が一番つらいんですよ。
慣れない環境で慣れない人と関わって、翌日の看護実践に活かすために遅くまで時間をかけてレポートをまとめる日々です。
私が通っていた教育機関では、他分野の学生さんもいましたが、どの分野の方も実習は大変そうでした。
今だから言えますが、中には入院が必要になる方がいるくらい過酷でしたね。
ベテラン看護師が集まる認定看護師教育機関ですが、途中で退学してしまう方もいるんですよ~。
認定看護師になる前に考えておきたいこと
認定看護師になる前に考えておきたいことは、下記のとおり。
- 研修が勤務時間外のときは、どのくらい家で勉強するの?
- 活動日は貰えそうか?
- 認定看護師の活動に診療報酬は意識した方がいいの?
- 残業は増える?
研修が勤務時間外のときは、どのくらい家で勉強するの?
認定看護師の教育課程でe-ラーニングでの勉強(PCで流れてくる映像から学ぶ)があります。
e-ラーニングでの勉強が勤務時間に含まれない場合、仕事が終わり自宅に帰ってから、e-ラーニングの勉強をしなければなりません。
その場合、e-ラーニングの勉強はどのくらいの時間、自宅学習が必要でしょうか。
e-ラーニングを勤務時間外に受講すると、6ヶ月で615時間受講しなければならない。
認定看護師になるには最低でも6ヵ月間で615時間以上の授業を受講する必要があります。
eラーニングで勤務時間外に受講するならば、最低615時間という自分の時間を勉強に当てなければならないですね(;゚ロ゚)
私が通っていたのはもう7年ほど前なので、その当時オンライン講義は導入されていませんでした。
集合教育はe-ラーニングやzoomへ教育体制が変わる
コロナの流行により集合教育からeラーニングやzoomへと教育体制が変わったようです。
私の勤めていた病院では、コロナ禍に教育課程に通っていた方がいないため、私も詳しくはわかりません。
2年ほど前に実習の受け入れ施設として病棟に実習生が来られましたが、オンライン講義も自宅で学習していたようです。
ほとんどの施設が認定看護師教育機関には「研修扱い」もしくは「休職扱い」で通うので、研修や休職期間であれば出勤する必要はありません。
私の母校はeラーニングではなくzoomだったようですし、時間割通り日中に学習する環境にないと単位が取れませんもんね。
おそらくですが、研修や休職扱いで入学していた学生は、自宅で勉強に専念できる環境だと思います。
ちなみに私の母校ではもうオンライン授業から通常の座学のスタイルに戻っているようです。
別の方に話を伺うと、eラーニング期間は「勤務後」に1日2-3コマは映像授業を受けていたそうです。
実習の大変なエピソードについては、プチマッチョナースさんの記事で詳しく紹介しています。
e-ラーニングでの勉強を勤務時間外にする施設側の理由
e-ラーニングでの勉強を勤務時間(8:00~17:00)にしてしまうと、病棟のスタッフが減ってしまいます。
病棟のスタッフが減ってしまうと、下記の理由から勤務時間外にしている施設があります。
- 勤務が組めない
- スタッフ1人の負担が大きくなる
- 他のスタッフから不満が出る
研修を勤務時間内にすると、施設側の負担が大きくなるため勤務時間外にしています。
活動日は貰えそうか?
sipoさんのブログで職場のマンパワー不足によって、活動日がなくなったと伺いました。
現在の病棟の人数(マンパワー)で活動日が貰えそうかというのは、認定看護師の研修を受ける前に師長などの上司に相談した方が良いでしょうか。
活動日をくれるかどうかは、上司の考えによって変わります。
私は、認定看護師を受験する前と教育機関を卒業した後で、病棟異動があり病棟師長が変わっています。
活動日をくれるかどうかというのは、管理者の考え一つですからね。
例えば、私が認定看護師になった当初は「頑張る看護師はいくらでも支援する」という考え方の看護部長でした。
そして病棟師長もがん看護歴が長く、認定看護師を何人も育ててきた方だったので、「あなたの実践をスタッフに見せたい」と活動日を週に1日確保してくれていました。
活動日が固定されることで、医師にも認定看護師の活動日を周知しやすく、ICの同席など声をかけてもらうことも多くありました。
看護部長が変わると「活動日がなくても日々の看護の中に専門性を発揮できるはずだ」という方針になり、活動日はなくなりました。
事前に話し合っていても、看護部長や病棟師長が変われば待遇が変わります。
認定看護師の活動に診療報酬は意識した方がいいの?
施設によっては、診療報酬のために認定看護師を所属させておく施設もあると、聞いたことがあります。
診療報酬のために認定看護師がいるというのは、施設の経営のために必要なことなので、理解できます。
認定看護師が活動する上で、診療報酬は意識した方が良いでしょうか。
絶対に意識した方がいいと思います。
というか、看護部長から求められます。
加算をとることで病院の経営に貢献できますし、それが活動の証として示せることがあります。
私が患者さんのICに同席して患者さんとご家族の不安を取り除く支援をした場合、診療報酬が500点になると思うと大きいですよね。
これも1つの実績です。
認定看護師はPDCAを回して活動しますが、指標として年間何件算定できたかと示すと評価がしやすいのもあります。
何より、自分の努力を肯定できる利点もありますよ。
診療報酬にばかり気をとられて、患者さんやご家族の支援がおろそかになるようでは本末転倒ですけどね!
意識して行動するのは大事だと思います。
残業は増える?
認定看護師の活動は、勤務時間外で行っている人が多いのでしょうか。
残業は増えますか?
こんなこと言うと認定看護師になりたくなくなる方が増えるかもしれませんが・・・正直、めちゃくちゃ増えます!
ごめんなさい。
でも、嘘はつけません。
最初の1年は特に毎日残業確定+休日出勤もしていました。
気になる患者さんがいても勤務時間内に関われないことが多々あるので、その場合は時間外に話を聞きに行っていました。
他分野の認定看護師さんも時間外に病棟に回ってきていたので、どこの病棟に所属していても、兼任看護師と専任看護師は大変だなと思っています。
専従看護師は専従看護師で仕事を抱えていますし、外勤などもありますからかなり大変そうです。
残業が増えるのはほぼ確実だと思います。
また、認定看護師の活動とは別に、講師の依頼が来るようになります。
ある程度資料を作成すれば、翌年は少し手を加えるだけで使い回せます。
認定看護師だということを隠して転職していく方もいるくらいですからね。
認定看護師になるまでも大変ですが、なってからはもっと大変だということです。
資格取得を考えている方にメッセージ
希望を持って認定看護師を目指している方もたくさんいるのに、ネガティブな要素も暴露してしまって心苦しいです…。
認定看護師になってからも困難の連続ではありますが、患者さんやご家族に質の高い看護が提供できるようになったという自信は、認定看護師にならなければ味わえません。
それに、スタッフナースへの指導を通して看護の質向上に寄与したり、ときには医師から相談をしてもらえるようになると「認定看護師になって本当によかった」と思えます!
ワークライフバランスという言葉がありますが、女性の場合は特にご自身のライフサイクルを考えながら、今後のキャリアを選択していくことが大事ですね(^^)
編集後記
今回、sipoさんにご協力頂き、記事作成を行うことができました。
sipoさん、ご協力ありがとうございました。
インタビューを通して感じたことは、女性のキャリアアップはライフプランを見据えて考えないといけないということ。
話を伺う限り、認定看護師の研修は片手間にできる研修ではありません。
結婚&出産を考えている女性が、「研修にかかるお金と時間の面」からハードな認定看護師の研修を受けようとは思わないというのが印象です。
受講費用と妊娠の問題
受講費用を自己負担で出そうとすると、100万円以上かかるという話を聞きます。
受講費用が施設から補助が出た場合も、○○年間の就業という制約が出てきます。
女性の妊娠には、年齢的なリミットが存在します。
100万円以上の受講費用をポンっと出せるわけもなく、数年間の就業という制約を考えると、結婚はできても妊娠&出産は難しい…。
私も、特定行為研修を受ける前に妻と下記のことを話し合いました。
- 受講費用の自己負担金
- 出産費用
- 出産後に働けなくなる期間の生活費
- 研修中の育児は可能か
妊娠&出産をしない男性ですら、この問題が出てきます。
自分の人生が変わるかもしれない女性は、安心して子どもを産みたいと考えるのが当然ですよね。
そうすると、結婚&出産を考えている女性が認定看護師の研修を受けるのは、リスクが大きいと思います。
子育ては時間とお金が溶けていく
女性は、妊娠&出産の年齢的なリミットがあります。
その期間は体力&気力が充実している時期でもあり、できれば認定看護師の研修と出産を同時にこなしたいです。
しかし、両立は難しいというのが現状。
私も小さい子どもがいますが、自分のプライベートな時間はありません。
お金も、子どもの成長と共に出費がどんどん増えていきます。
既に結婚し、お子さんがいらっしゃる家庭で研修を受けようと思うと、パートナーが犠牲にならないと両立は出来ないのではと思えます。
それほど、認定看護師の研修がハードな研修という印象です。
時間とお金の面でも、子育てと認定看護師の研修の両立は難しいと思えます。
お金と時間に余裕ができる年齢にならないと認定看護師の研修は受けられない
子育てが落ち着いて、余裕ができるのはこどもが小学生になってからではないでしょうか。
お金の面では負担は大きくなるばかりですが、子どもも風邪をひかなくなり時間の余裕は生まれます。
ただ、そのとき自分は何歳になっているでしょうか。
30歳で1人目を出産し、子どもが小学校に上がると36歳になっています。
2人目の子供を33歳で出産すると、2人目が小学生になる頃には、39歳になっています。
そこから、認定看護師の研修を受けようとする人は少ないのではないでしょうか。
研修を受けるための前提条件のハードルが高い
認定看護師&特定行為研修の受講者が、独身者・男性・シングルマザーに多いというのは、時間とお金に余裕があるからではないでしょうか。
看護協会は、認定看護師の受講者を増やすために「受講者のハードルが下がるような対応がないのか?」とも思います。
看護協会の補助があったとしても、「日本という国が子育てにもっと補助をしてくれないと解決しない」と、今月のカードの利用額を見ながら思う毎日です…。
認定看護師の知識と専門性の高さは、看護師業界にとって有益です。
もっと認定看護師が増えれば看護師や患者にとって、治療環境がより良いものになります。
ただ、「お金と時間の問題・女性は妊娠の年齢的なリミットの問題」から、あまりにもハードルが高いと思いました。
かなり赤裸々にお話ししてしまいました!
シトラスさんのブログはこちら▶Nurse✖Career | (yuttan.com)
今回のインタビュアーは特定看護師のシトラスさんでした。ありがとうございました!
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