Last Updated on 2022年12月21日 by 村上志歩美
このページにたどり着いたということは、認定看護師もしくは認定看護師を目指している方だと思います。
認定看護師になるには、とにかくお金がかかりますよね。
そして、その資格を維持するのにも莫大な時間とお金が必要です。
なるまでも大変ですが、なってからの方がもっと大変なのが認定看護師です。
私はプリセプターの先輩が緩和ケア認定看護師だったこともあり、認定看護師を目指すにあたり、先輩に相談をしていました。
近くに目標とする先輩がいるというのがどれだけありがたいことか・・・
先輩は私の5年前に認定看護師になっていて、酸いも甘いも知っていました。
認定看護師になりたいって言ってくれるのは嬉しいけど、なってからの方が大変だからね。本当に覚悟した上でなってね!
私は認定看護師になりたい一心だったので、どれだけでも頑張れると思っていました。
認定看護師になる方法についてはこちらの記事をご参照ください。
認定看護師になって、先輩の言葉の真意を知ることになったので、認定看護師を目指す人には「認定看護師になるよりもなってからの方が大変ですよ」と伝えるようになりました。
今回は認定看護師さんや認定看護師を目指す方にとって、参考になればと思いリアルな兼任認定看護師の日常をお伝えしたいと思います。
そもそも兼任ってねんでしょう?
専従・専任・兼任の違いは?
専従と専任の違いがはっきりとしない方も多いですよね。
看護師は、病棟勤務や外来勤務など看護部によっても働く部署が様々です。
その中で、通常のスタッフナースとして従事する場合もあれば、専門分野メインの仕事をする場合があります。
専従と専任では専門性に特化した仕事に従事する時間の割合がおおよそ決まっています。
専従看護師:8割以上
専任看護師:5割以上
兼任看護師:専任以下の割合
専従看護師は8割以上とされていますが、おそらく10割をその業務に充てているところがほとんどです。
平日の日勤帯をメインに活躍しているのが、この専従看護師です。
専任看護師は、一般病棟などでスタッフナースの役割と認定看護師の活動に専念できる日がおおよそ半々となっているとされています。
夜勤をする場合もありますね。
兼任看護師になると、スタッフ業務がほとんどの時間を占めていると考えます。
月に何日かの活動日を取得して、認定看護師活動をしているという感じです。
私は認定看護師になった当初、専任とされましたが、実際の働き方から考えると専任とはとても言えないような状況でした。
私は兼任看護師として、月4~5回の夜勤をしていたため、日勤の頻度も少なくなっていました。
ラウンドなどもなかなかできない状況なので、兼任看護師はかなり苦労すると思います。
では、実際兼任看護師として働いてきた私が、運良く活動日を取得できた場合の1日のスケジュールについてお話ししますね。
兼任*緩和ケア認定看護師の活動日の流れ
私は専従看護師ではなく、兼任看護師として一般病棟のスタッフナースとして働きつつ認定看護師の活動をすることが求められていました。
※ちなみに私のプリセプターが専従看護師でした。
8時半~17時15分の勤務時間の中で、当初は週に1日活動日がありました。
この活動日というのは、スタッフナースとして患者さんを受け持つのではなく、認定看護師として丸々その専門分野に特化した活動をする特別な日です。
師長も活動日だけは7対1看護から私のことを除外して考えてくれていたので、外来に行ったり他病棟に行って活動ができました。
勤務時間外に働いていたのでちょっとブラックな感じに見えますが・・・
今回はリアルな働き方を見ていただきたいので、あえて時間外勤務も書いています。
<緩和ケア認定看護師の1日の活動内容>
7時半~8時半 | 情報収集(外来告知予定者把握) |
8時半~11時 | 外来患者の告知同席・看護記録 |
11時~12時 | 緩和ケアチームラウンド |
12時~13時 | ランチョンセミナー開催(病棟看護師対象) |
13時~13時半 | 休憩 |
13時半~14時半 | 病棟回診 |
14時半~15時 | 病棟カンファレンス |
15時~18時 | 病棟患者面談(疼痛評価、心理的サポート等) |
18時~19時 | 業務日誌作成・病棟師長へ報告 |
19時~21時 | 看護記録 |
このスケジュールは活動日がもらえていた頃のことです。
週1日もらえていた活動日も、人員不足のため年間通して1日もとれなくなっているのが現状です。
ちなみに、勉強会の講義を企画したり、その講義資料を作成したりという仕事は休日出勤でしていました。
今は休日出勤が許されないので、自宅で持ち帰って資料作成をしていました(内緒です)
1日に告知に同席できるのは、時間的に3件程度でした。
告知に同席すると1患者につき500点のがん患者指導管理料(イ)を算定できます。
面談については1日5件程度実施しましたが、1人あたり30分以内の場合が多いのですが、患者さんによっては1時間以上かかるケースもあります。
面談のあとは主治医への報告が必須ですし、治療薬の変更の打診をしたりもしますので、こちらにも時間がかかりました。
この面談も1件200点のがん患者指導管理料(ロ)を算定できます。
1日3件の告知(5,000円×3件)と1日5件の面談(2,000円×5件)といった感じで、この場合1日25,000円分の算定に貢献することもできますね。
認定看護師の手当
認定看護師は手当がまったくないという職場もあるようですね。
私の所属していた病院は、認定看護師の専門看護手当として月額3,000円支払われていました。
専門看護師は月額5,000円、診療看護師は月額60,000円の手当があります。
この手当に関しては、病院によって大きく異なりますので、ご自身で調べることをおすすめします。
認定看護師になって、維持するのには非常にお金がかかります。
更新料だけでなく、維持するために学会に全国飛び回ったり、セミナーに参加したりしなければなりません。
月3,000円の手当では正直維持出来ないです。
同じ認定看護師でも、病院によっては月額30,000円と私の10倍も手当があるところもあります。
全国一律にしてほしいですよね・・・
1日で25,000円分の加算の算定に貢献しているといっても、月3,000円の報酬ですから、もしかするとやる気を無くしてしまう方もいるかもしれません。
仕事にやりがいを感じられることは大事ですが、モチベーション維持のためにはやはりそれなりの報酬がほしいですよね。
まとめ
これを読むと認定看護師になりたくなくなる方もいるかもしれません・・・
ですが、リアリティショックを受けないためにも知っておいていただきたいと思います。
これが一般病棟の兼任認定看護師の現状です。
認定看護師になりたいって言ってくれるのは嬉しいけど、なってからの方が大変だからね。本当に覚悟した上でなってね!
先輩の言葉、本当にそのとおりだと今は思っています。
私は忙しいながらも楽しくやりがいをもって働いていたので、認定看護師になったことを後悔はしていません。
これから目指す覚悟が決まった方、一緒に頑張りましょうね(^^)
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